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CERT Advisory 2002-01

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  • この和訳は文書の性質上、in rushであり、訳の自然さより も訳出の迅速さを目指している。内容の正確さについては訳者としての 良心から可能な限り気をつけているが、通常の翻訳であれば訳の改善を 図るために訳語等で悩む時間を極力圧縮しているため、不自然なところが 残っているかもしれない。指摘は歓迎である。なお、読者対象は文書の 性質上、ネットワーク管理者等であるため、この読者層に通じやすい 訳語選定を心がけている。
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  • この翻訳に対して、しかるべきところから明示的に翻訳拒絶の連絡を 受けた場合を除き、本翻訳は訳者の責任において公開する。ただし、内容 についての責任は最初に書いたように負わない。
  • 訳者は大阪女子大学情報センター講師の橋本喜代太(hash@reasoning.org, hash@center.osaka-wu.ac.jp) である。ただし、本文書の訳出に当たって、大学当局は何ら関係ない。
  • 関連文書は ここにリストがある。


CERT® Advisory CA-2002-01
CDEのサブプロセスコントロールサービスに付け込み可能な脆弱性が存在する

Original release date: January 14, 2002
Last revised: --
Source: CERT/CC

本和訳の原文は http://www.cert.org/advisories/CA-2002-01.htmlである。

本文書並びに本和訳の完全な改訂履歴は文書末尾にある。

影響を受けるシステム

  • CDEを動作させているシステム

概要

CERT/CCはCA-2001-31 ( その和訳 )で示され、VU#172583で議論されている CDEのサブプロセスコントロールサービスに存在するバッファオーバフローの脆弱性 を残していないかSolarisシステムを探索し、付け込もうとする行為があるとの確か な報告を受け取っている。

I. 説明

CA-2001-31 が、昨年11月に発行されて以来、CERT/CCは dtspcd (6112/tcp)を探すスキャニングが 行なわれているとの報告を受け取ってきた。しかし、つい最近になって Solarisシステムで実際に付け込まれたとの間違いない報告を受け取った。 The Honeynet Project が提供してくれたネットワーク記録から、我々はCA-2001-31 ( その和訳 )で示され、VU#172583で議論されている dtspcdに存在する脆弱性に活発に付け込む 行為がなされていると確信することとなった。

共通デスクトップ環境 (CDE)はUNIX OSやLinux OS上で動作する統合GUIである。 CDEサブプロセスコントロールサービス (dtspcd) はネットワークデーモンで、クライアントからのリクエストを受け付け、 コマンドを実行し、リモートでアプリケーションを起動する。CDEを動作させて いるシステム上では、dtspcdはCDEクライアントの リクエストに応答する形でインターネットサービスデーモン(典型的には、 inetdxinetd) によって複数起動される。 dtspcdは典型的にはポート番号6112/tcpを 使いroot権限で動作するよう設定されている。

このdtspcdが利用する共有ライブラリの一つにリモート から付け入ることのできるバッファオーバフローの脆弱性が存在する。クライアント とのネゴシエーションを行なっている際、dtspcdは 適切な入力チェックを行なわないまま、クライアントからのデータ長の値と後続するデータ を受け付けてしまう。この結果、悪意あるクライアントは dtspcdに人為的に加工したデータを送ることで、 バッファオーバフローを 引き起こし、可能性としてはroot権限でコードを実行できることになる。 このオーバフローは、攻撃パケットの一つの内容によって付け込まれた 固定長4KBのバッファ中で起きる。tcpdumpのログファイルで次のような 攻撃パケットがあれば、0x3e-0x41の箇所にシグニチャがあるのが分かる (1行が見た目上折り返されているかもしれない)。

09:46:04.378306 10.10.10.1.3592 > 10.10.10.2.6112: P 1:1449(1448) ack 1 win 16060 <nop,nop,timestamp 463986683 4158792> (DF)
0x0000   4500 05dc a1ac 4000 3006 241c 0a0a 0a01        E.....@.0.$.....  
0x0010   0a0a 0a02 0e08 17e0 fee2 c115 5f66 192f        ...f........_f./
0x0020   8018 3ebc e1e9 0000 0101 080a 1ba7 dffb        ..>.............
0x0030   003f 7548 3030 3030 3030 3032 3034 3130        .?uH000000020410
0x0040   3365 3030 3031 2020 3420 0000 0031 3000        3e0001..4....10.
0x0050   801c 4011 801c 4011 1080 0101 801c 4011        ..@...@.......@.
0x0060   801c 4011 801c 4011 801c 4011 801c 4011        ..@...@...@...@.
...

上記のASCII表示段(右列)中の0x103eという値は、内部の4K (0x1000)バッファ にコピーすべきパケットのバイト数であるとサーバが解釈する。 0x103eは0x1000よりも大きいため、このパケットの最後の0x3eバイト分が 4Kバッファの後ろのメモリを上書きすることになる。これはVU#172583で 指摘されたのと同じ攻略媒体(compromise vector)である。

ただし、インターネット上のゲームで、同じポート番号6112/tcpを その通常動作の合法的な一部として利用するものがいくつもあること を注記しておく必要がある。つまり、このサービスに関わるすべての ネットワーク活動が悪意あるものとは限らないのである。 この種の活動を監視しているネットワーク管理者は、この種の探索が 本当にVU#172583 で示される脆弱性に付け入ろうとする試みなのかどうかを検証したい と考えるかもしれない。

多くの一般的なUNIXシステムはデフォルトではCDEがインストールされ有効に なるようになっている。自システムがdtspcd を使うよう設定されているかどうかを判断するには、次の各ファイルにdtspc の記載があるかどうかを確認せよ。(1行が 見た目上複数行に見えるかもしれない)。

/etc/servicesにおいては

dtspc 6112/tcp

/etc/inetd.confにおいては

dtspc stream tcp nowait root /usr/dt/bin/dtspcd /usr/dt/bin/dtspcd

CDEのサブプロセスコントロールサービスを動作させていないシステム はこの問題に対して脆弱ではない。

II. 影響

攻撃者は任意のコードをroot権限で実行できる。

III. 対応策

修正パッチを適用せよ

VU#172583に今回の 勧告に対して情報を提供してくれたベンダからの情報が掲載されている。 ベンダがCERT/CCに対して新たな情報を報告して きてくれた際は、このセクションを更新し、更新履歴に変更点を記載する。 特定のベンダが掲載されていない場合、それは我々が連絡を受け取っていない ことを意味している。直接、ベンダに連絡を取られたし。

ベンダ情報はVU#172583の"影響を受けるシステム(Systems Affected)"セクションに掲載されている。

http://www.kb.cert.org/vuls/id/172583#systems

脆弱なサービスへのアクセスを制限せよ

修正パッチが入手可能になり、適用できるまでは、インターネットのような 信頼関係の確立していないネットワークからのサブプロセスコントロールサービス へのアクセスを限定ないし遮断した方がよいかもしれない。その場合、ファイアウォールまたは その他のパケットフィルタリングにより、サブプロセスコントロールサービスが 使用しているポートへのアクセスを遮断ないし限定するとよい。上記で述べたように、 dtspcdは典型的にはポート番号6112/tcpを待ち受ける よう設定されている。 TCP Wrapper等を使って、dtspcd接続について さらに細かくアクセス制御を行なったり、ログ記録を取ったりすることもできる。 ただし、ネットワーク境界でポートを遮断しても、脆弱なサービスが 内部ネットワークからの攻撃に対して防護されるわけではない点は念頭に置いて おきたい。また、どのような変更が適切化を判断するには自ネットワークの設定や サービス要求を理解しておくことが重要である。

TCP Wrapper は以下で入手できる。

ftp://ftp.porcupine.org/pub/security/index.html

脆弱なサービスを無効にせよ

/etc/inetd.confでコメントアウトすることで dtspcdを無効にするのもよいだろう。もっともよい 習慣としては、明示的に必要とされていないサービスはすべて無効にすることを CERT/CCは推奨する。また、上記の述べたように、自環境で自分の行なった変更が どのような結果を招くかを考慮するのは重要である。

Appendix A. - 参照文献

  1. http://www.kb.cert.org/vuls/id/172583
  2. http://www.cert.org/advisories/CA-2001-31.html
  3. http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CAN-2001-0803
  4. http://xforce.iss.net/alerts/advise101.php
  5. http://www.opengroup.org/cde/
  6. http://www.opengroup.org/desktop/faq/

CERT Coordination Centerはこの付け込みを示すネットワーク記録を提供 してくれたことでThe Honeynet Projectに感謝する。


著者: Allen Householder & Art Manion


この文書の原文は以下で入手できる。
http://www.cert.org/advisories/CA-2002-01.html

本文書の原文は以下で入手できる。
http://www.cert.org/advisories/CA-2002-01.html


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Revision History

January 14, 2002:  Initial release

この翻訳は橋本喜代太(hash@reasoning.org)が行った。 翻訳公開は原文がWebサーバに公開されてから約1時間後、ML配信が 届く前である。


本和訳の改訂履歴
2002年1月15日午前3時55分 (JST) 初版公開


訳者並びに連絡先: 橋本喜代太