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CERT Advisory 2002-02

  • この文書はCERT Advisory文書の和訳である。和訳については一切の 保証はしない。この文書を使った結果のあらゆる損害等について 訳者は一切責を負わない。また、転載は禁じる。
  • リンクを張るのは自由であるが、それにより発生するかもしれない 直接間接問わず一切の帰結に訳者は責任を負わない。
  • この和訳は文書の性質上、in rushであり、訳の自然さより も訳出の迅速さを目指している。内容の正確さについては訳者としての 良心から可能な限り気をつけているが、通常の翻訳であれば訳の改善を 図るために訳語等で悩む時間を極力圧縮しているため、不自然なところが 残っているかもしれない。指摘は歓迎である。なお、読者対象は文書の 性質上、ネットワーク管理者等であるため、この読者層に通じやすい 訳語選定を心がけている。
  • この和訳はあくまでも訳者の個人的な関心に基づいて行われている。 今後、飽きるまでは原則として24時間以内の翻訳を目指す(この迅速さが どこまでできるかが訳者の関心である)が、予告なく遅延、終了すること がある。
  • 本文書の和訳について、CERTから翻訳許諾は受けていない。別所で CERTと契約を行って翻訳を行っているところがある。 なお、本翻訳はその翻訳を 一切参照していない。特にその必要を感じないからでもあるが、本質的に 翻訳は訳者の解釈の塊であり、複数の独立した翻訳があることで、注意 深い読者が比較検討して、読者の判断で何が正しいのかを判断できると 考えるためである。
  • この翻訳に対して、しかるべきところから明示的に翻訳拒絶の連絡を 受けた場合を除き、本翻訳は訳者の責任において公開する。ただし、内容 についての責任は最初に書いたように負わない。
  • 訳者は大阪女子大学情報センター講師の橋本喜代太(hash@reasoning.org, hash@center.osaka-wu.ac.jp) である。ただし、本文書の訳出に当たって、大学当局は何ら関係ない。
  • 関連文書は ここにリストがある。


CERT® Advisory CA-2002-02
AOL ICQにバッファオーバフローの危険性が存在する

Original release date: January 24, 2002
Last revised: --
Source: CERT/CC

本和訳の原文は http://www.cert.org/advisories/CA-2002-02.htmlである。

本文書並びに本和訳の完全な改訂履歴は文書末尾にある。

影響を受けるシステム

  • AOL Mirabilis ICQ Versions 2001A とそれ以前のバージョン
  • Voice Video & AOL Mirabilis ICQのバージョン 2001B Beta v5.18 Build #3659より古いものと共にインストールされる ゲーム用プラグイン

概要

ICQにリモートから付け入ることのできるバッファオーバフローが存在する。 この脆弱性に付け入れる攻撃者は、犠牲となるユーザに付与された権限レベル で任意のコードを実行できるであろう。詳細は VU#570167 で解説されている。既に付け入られたケースが存在することは分かっているが、 広く悪用されているとは我々は考えていない。我々の観察では、この脆弱性に対して 活発にスキャニングは行なわれていないし、この脆弱性に付け入られたとの報告 も受けていない。

I. 説明

ICQはインターネット上で他のユーザとコミュニケーションを行なうための プログラムの一種である。ICQは広く利用されている(AOL Time Warner の子会社であるICQ Incによれば、 1億2,200万人以上)。このICQのWindows用クライアントソフトにバッファ オーバフローの危険性が存在する。このバッファオーバフローは Voice Video & Games のフィーチャ・リクエストメッセージを処理する 過程で発生するものである。このメッセージは、犠牲者がサードパーティ製の アプリケーションにインタラクティブに参加するよう誘う別のICQユーザからの リクエストであるとされている。2001B以前のバージョンでは、ICQクライアント のコードにバッファオーバフローが発生する。2001Bでは、バッファオーバフロー を含むコード部分が外部プラグインに移された。

このため、2001Bの最新ビルドより前のすべてのバージョンは脆弱である。 AOLのICQサーバに接続すると、2001Bクライアントで脆弱なビルドを使っている場合は 、脆弱なプラグインを無効にするようサーバから指示がある。2001B以前のICQクライアント を使っている場合は無効にすべき外部プラグインが存在しない為、サーバに接続した 後も脆弱なままである。AOL Time Warnerは脆弱なバージョンのICQを利用している すべてのユーザが2001B Beta v5.18 Build #3659に アップグレードするよう推奨している。

通常の操作中、ICQクライアントはICQサーバ経由または直接接続経由で 互いにメッセージを交換できる。今回のバッファオーバフローが発生する のは、ICQサーバからのタイプ0x2711であるとされた型(Type)、長さ(Length)、 値(Value)のTLVタプル経由、または、悪意で加工された直接接続リクエスト 経由のVoice Video & Gamesリクエストを処理する過程においてである。
ICQクライアントのバージョンによっては、クライアント・サーバ通信 のためにポート番号4000/UDPをオープンする。別のバージョンではこの 通信のためにポート番号5190/TCPをオープンする。以前報告されたAIM の脆弱性と合わせて、AOLは、今回の脆弱性に 付け入ろうとする悪意あるメッセージをフィルタリングするよう ICQサーバインフラを修正し、 AOLのICQサーバ経由で付け入ることができないようにした。しかし、 他の手法 (第三者経由の攻撃(man-in-the-middle attacks)、サードパーティ 製のICQサーバ、DNS偽造、ネットワーク盗聴(sniffing)など)で今回の脆弱性 に付け入ることは依然可能であろう。また、UDPパケットはネットワーク上で ブロードキャストされるので、送信元IPアドレスが偽造された悪意あるTLVパケット が合法的なサーバメッセージとして受け入れられてしまう可能性もある。

また、ICQクライアントは直接接続リクエストに対する待ち受けTCPポートが 毎回変わる(listens on a variably assigned TCP port)。直接接続をしたい 者は相手のIPアドレスと待ち受けポート番号をICQサーバ(のどれか)に問合せ ることができる。2000A並びにそれ以前のバージョンの場合、デフォルトでは 誰かの直接接続も受け入れる設定になっている。それ以降のバージョンのICQは (デフォルトではないが)誰からの直接接続も受け入れるよう設定できる。 ICQリクエストはあるクライアントから別のクライアントへ直接送信される ので、中央サーバ経由のリクエストを遮断することでは完全に効果的な解決 にならない。効果的な対応策は、入手可能になった段階で、今回のバッファ オーバフローを修正する修正パッチを適用するか、2001B Beta v5.18 Build #3659 にアップグレードし、かつ、Voice Video & Games機能を無効にすることである。

今回の脆弱性に対しては the Common Vulnerabilities and Exposures (CVE) groupにより、 識別番号 CAN-2002-0028 が付けられている:

http://cve.mitre.org/cgi-bin/cvename.cgi?name=CAN-2002-0028

II. 影響

リモートの攻撃者が、犠牲となるユーザに付与された権限レベルで 任意のコードを実行できる。

III. 対応策

すべてのユーザはバージョン2001B Beta v5.18 Build #3659 にアップグレードすべきである。現時点では、2001B用ICQ プラグイン用並びに 2001B以前のICQクライアント用の修正パッチはない。バージョン2001B Beta v5.18 Build #3659のインストーラは脆弱なプラグインを削除するようになっている。 また、Beta v5.18 Build #3659以前の2001Bでサーバにログインするユーザ に対しては、脆弱なプラグインへのアクセスが無効になっている。2001B以前の バージョンを利用している人はこの脆弱性を解消するためにアップグレード しなければならない。

ファイアウォールでICQ/SMSのリクエストを遮断せよ

login.icq.comへの接続並びにポート番号4000/UDP, 5190/TCP、さらに 自クライアントマシンが待ち受けるよう設定したTCPポートへのアクセスを 遮断することによって、この脆弱性に付け入られることを防ぐことができる であろう。ただし、クライアントは起動されるたびに新たな待ち受けポート を用意するようになっている。また、この対策を行なっても、自ファイアウォール の中からの攻撃を防ぐことはできない点も注意されたい。

信用のないメッセージを遮断せよ

ICQは、認証のない者からの直接接続をすべて拒絶したり、既知の友人 からだけ直接接続を受け付けたりするようユーザが設定できるようになっている。 我々は、認証のない者からの直接接続はすべて拒絶するという設定を推奨する。 既知の友人からの直接接続を受け付けることにより、この相手が攻略されていた 場合、その相手が発信者となる攻撃に対しては脆弱なままになるからである。

Appendix A. - ベンダ情報

このAppendixでは、この勧告に対してベンダが提供してくれた 情報を掲載している。ベンダがCERT/CCに対して新たな情報を報告して きてくれた際は、このセクションを更新し、更新履歴に変更点を記載する。 特定のベンダが掲載されていない場合、それは我々が連絡を受け取っていない ことを意味している。

AOL Time Warner

http://web.icq.com/help/quickhelp/1,,117,00.htmlを参照せよ。

The CERT Coordination CenterはDaniel TanとAOL Time Warnerが この脆弱性を発見し解析するのに助力してくれたことに謝意を表する。


著者: Jason A. Rafail


Appendix B. - 参照文献

  1. http://www.kb.cert.org/vuls/id/570167
  2. http://www.securityfocus.com/bid/3813
  3. http://web.icq.com/help/quickhelp/1,,117,00.html

本文書の原文は以下で入手できる。
http://www.cert.org/advisories/CA-2002-02.html


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電子メール: cert@cert.org
電話: +1 412-268-7090 (24-hour hotline)
Fax: +1 412-268-6989
郵便送付先:
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Pittsburgh PA 15213-3890
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Revision History

January 24, 2002:  Initial release

この翻訳は橋本喜代太(hash@reasoning.org)が行った。 翻訳公開は原文がWebサーバに公開されてから約8時間後、ML配信が 届いて5時間後である。


本和訳の改訂履歴
2002年1月25日午後1時25分 (JST) 初版公開


訳者並びに連絡先: 橋本喜代太