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CERT Advisory 2001-34

  • この文書はCERT Advisory文書の和訳である。和訳については一切の 保証はしない。この文書を使った結果のあらゆる損害等について 訳者は一切責を負わない。また、転載は禁じる。
  • リンクを張るのは自由であるが、それにより発生するかもしれない 直接間接問わず一切の帰結に訳者は責任を負わない。
  • この和訳は文書の性質上、in rushであり、訳の自然さより も訳出の迅速さを目指している。内容の正確さについては訳者としての 良心から可能な限り気をつけているが、通常の翻訳であれば訳の改善を 図るために訳語等で悩む時間を極力圧縮しているため、不自然なところが 残っているかもしれない。指摘は歓迎である。なお、読者対象は文書の 性質上、ネットワーク管理者等であるため、この読者層に通じやすい 訳語選定を心がけている。
  • この和訳はあくまでも訳者の個人的な関心に基づいて行われている。 今後、飽きるまでは原則として24時間以内の翻訳を目指す(この迅速さが どこまでできるかが訳者の関心である)が、予告なく遅延、終了すること がある。
  • 本文書の和訳について、CERTから翻訳許諾は受けていない。別所で CERTと契約を行って翻訳を行っているところがある。 なお、本翻訳はその翻訳を 一切参照していない。特にその必要を感じないからでもあるが、本質的に 翻訳は訳者の解釈の塊であり、複数の独立した翻訳があることで、注意 深い読者が比較検討して、読者の判断で何が正しいのかを判断できると 考えるためである。
  • この翻訳に対して、しかるべきところから明示的に翻訳拒絶の連絡を 受けた場合を除き、本翻訳は訳者の責任において公開する。ただし、内容 についての責任は最初に書いたように負わない。
  • 訳者は大阪女子大学情報センター講師の橋本喜代太(hash@reasoning.org, hash@center.osaka-wu.ac.jp) である。ただし、本文書の訳出に当たって、大学当局は何ら関係ない。
  • 関連文書は ここにリストがある。


CERT® Advisory CA-2001-34
System V系のLoginにバッファオーバフローが存在する

Original release date: December 12, 2001
Last revised: December 14, 2001
Source: CERT/CC

本和訳の原文は http://www.cert.org/advisories/CA-2001-34.htmlである。

本文書並びに本和訳の完全な改訂履歴は文書末尾にある。

影響のあるシステム

  • IBM AIX バージョン 4.3 とそれ以前、並びに 5.1
  • Hewlett-Packardの HP-UX
  • SCO OpenServer 5.0.6 とそれ以前のバージョン
  • SGI IRIX 3.x
  • Sun Solaris 8 とそれ以前のバージョン

概要

システムへの認証にloginを利用するアプリケーションがいくつも ある。このloginで、System Vを出所とするものにはリモートから 付け入ることのできるバッファオーバフローが存在する。攻撃者はこの脆弱性 を悪用して、サーバに対するrootアクセスを奪取できる。

I. 説明

System Vを出所とするloginの実装には、プロセスに渡す環境変数 などの引数をユーザが指定できるようになっているものがいくつもある。 こうした引数を格納するのにはバッファアレイが利用されているが、受け取った 引数の個数をチェックするところに欠陥が存在する。この欠陥のために バッファアレイがオーバフローすることがある。

たいていのシステムでは、loginはsuidを設定されてはいない。 このため、loginは、loginを呼び出したユーザとして動作する。 しかし、telnetdやrlogindのような、ユーザの権限よりも強力な権限レベルで 動作するアプリケーションが loginを呼び出した場合、ユーザはこの脆弱性を悪用して、その プログラムの動作権限レベルを奪取することができてしまう。telnetdやrlogind の場合は、root権限を奪取できることになる。

in.telnetdならびにin.rlogindはネットワークを介して利用できるもので あるから、あるシステムに対してまったくアクセス権限がないリモートの 攻撃者でも、この脆弱性を悪用して、root権限を奪取できるであろう。

loginを呼び出すプログラムにUSER_Aのsuid (またはsgid)が設定されて いた場合、この脆弱性を悪用してUSER_Aの権限レベルを奪取できることになる。

この脆弱性への攻撃は既に行なわれたことがあり、今後、増えるであろう。

II. 影響

この脆弱性をリモートから悪用することで、loginを呼び出した プログラムの権限レベルを奪取できる。telnetd, rlogind,また、その他の suidがrootに設定されているプログラムの場合、root権限が奪取される ことになる。

III. 解決策

ベンダ提供の修正パッチを適用せよ

Appendix Aにはこの勧告に対するベンダ提供の 情報がある。ベンダがCERT/CCに対して新たな情報を報告して きてくれた際は、このセクションを更新し、更新履歴に変更点を記載する。 特定のベンダが掲載されていない場合、それは我々が連絡を受け取っていない ことを意味している。VU#569272で 自分の使用しているシステムを提供しているベンダがどうなっているかを 確認し、直接ベンダに連絡を取られたし。

loginへのアクセスを制限せよ

認証のためにloginを利用するTELNET, RLOGINなどのプログラム を無効にすることを我々は推奨する。脆弱なloginを認証用に利用 するプログラムを使ってはならない。なお、SSHアプリケーションには 認証にloginを利用する設定ができるものがある。この設定が 選択されている場合は、(TELNET, RLOGINなどを無効にしても)いまだ 脆弱であるということになる。

上記サービスを無効にできない場合は、ルータないしファイアウォール を利用してポート番号 23/TCP (telnet)と 513/TCP (rlogin)へのアクセス を制限することによって、この脆弱性を突かれる可能性を限定することが できる。ただし、こうした設定をしても、自ネットワーク内部からの攻撃 は防げない。

Appendix A. ベンダ情報

このAppendixでは、この勧告に対してベンダが提供してくれた 情報を掲載している。ベンダがCERT/CCに対して新たな情報を報告して きてくれた際は、このセクションを更新し、更新履歴に変更点を記載する。 特定のベンダが掲載されていない場合、それは我々が連絡を受け取っていない ことを意味している。

Apple Computer, Inc.

Mac OS X ならびに Mac OS X サーバは脆弱ではない。

Caldera

当社は System Vベースの /bin/loginは利用しておらず、BSD版のrlogin ツールを利用している。このため、OpenLinux全製品は"脆弱ではない"。

Compaq Computer Corporation

Compaqの Tru64 ソフトウェアは今回報告された問題には影響を受けない。

Cray Inc.

Cray Inc.は、当社のloginの実装がVU#569272で記述されている状況に 対して脆弱ではない、と判断した。

Hewlett-Packard

HP-UXは(この脆弱性に)付け込まれることはない。これはHP-UXに対する セキュリティ問題とはならない。HP-UXは今回のバッファオーバフロー問題があり、 それが唯一の理由となって、上記の「影響を受けるシステム」のリストに上がっている。 ともあれ、今回のバッファオーバフローはHPにより修正済みである。

IBM

IBMのAIXオペレーティングシステムのバージョン4.3並びに5.1は、今回の 脆弱性問題の影響を受ける。既に当社は緊急修正版("efix")として "tsmlogin_efix.tar.Z"を用意しており、以下からダウンロードして利用できる。

ftp://aix.software.ibm.com/aix/efixes/security

AIX 5.1に対するAPAR割り当てはIY26221であり、近日中に入手可能となる。 AIX 4.3に対するAPARは、4.3の新レベルが近々入手可能になるため、 ペンディングされている。上記FTPサイトにある"README"ファイルは逐次更新され、 公式の修正情報とその入手法について最新情報を提供する。

[更新] 2001年12月12日(水)に当初投稿されたefixに貼付されたインストール の指示は不完全だった。インストールの指示は書き直され、efixのtarボール に同梱し、12月13日(木)にFTPダウンロードサイトに再投稿された。正しい 指示に書き直した勧告も(再)発行している。顧客が新たな指示を入手するに は、この修正後の勧告を見るか、最新版のefixをダウンロードするかして 欲しい。

IBMはAIX 4.2.1についてはMaintenance Level 06 (現時点での最新ML)用に 緊急修正を開発中である。また、AIX 4.3.3.についてはMaintenance Level 06ならびに08用に緊急修正を開発中である。

NetBSD

NetBSDは System Vを出所とするloginは使用していない。 このため、この問題に対してNetBSDは脆弱ではない。

Red Hat

Red Hat Linuxは System Vを出所とする/bin/loginは使用していない。 このため、この問題に対して脆弱ではない。

SCO

Open UNIX8ならびにUnixWareは今回のlogin問題では脆弱ではない。
"ftp://stage.caldera.com/pub/security/openserver/CSSA-2001-SCO.40/CSSA-2001-SCO.40.txt

Sun Microsystems

Sunは修正版を作成し、T-パッチは現在検証中である。公式の修正パッチは まもなくリリースするが、入手可能になった時点でSun Security Bulletinを 発行する予定である。


The CERT Coordination Centerは Internet Security Systems 並びに Sun Microsystems が技術情報を提供してくれた ことに感謝する。


この文書に対するフィードバックは直接、著者、Jason A. Rafailへ送られたし。


References


この文書の原文は以下で入手できる。
http://www.cert.org/advisories/CA-2001-34.html

CERT/CCへの連絡は

電子メール: cert@cert.org
電話: +1 412-268-7090 (24-hour hotline)
Fax: +1 412-268-6989
郵便送付先:
CERT Coordination Center
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Pittsburgh PA 15213-3890
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Copyright 2001 Carnegie Mellon University.

Revision History

December 12, 2001 : Initial Release
December 13, 2001: Update Hewlett-Packard Vendor Statement
December 14, 2001: Added SCO Vendor Statement
December 14, 2001: Updated IBM Vendor Statement
December 14, 2001: Updated Systems Affected

この翻訳は橋本喜代太(hash@reasoning.org)が行った。 翻訳公開は原文を受け取ってから(訳者の使用しているPOPサーバに メールが届いた時点であり、訳者自身がメールを見た時点ではない) 約4時間後である。


本和訳の改訂履歴
2001年12月13日午後12時35分 (JST) 初版公開
2001年12月14日午後8時40分 (JST) 12/13のHPのベンダ情報を更新
2001年12月16日午前1時35分 (JST) 12/14の改訂に追従。


訳者並びに連絡先: 橋本喜代太