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CERT Advisory 2001-37

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  • 訳者は大阪女子大学情報センター講師の橋本喜代太(hash@reasoning.org, hash@center.osaka-wu.ac.jp) である。ただし、本文書の訳出に当たって、大学当局は何ら関係ない。
  • 関連文書は ここにリストがある。


CERT® Advisory CA-2001-37
Microsoft Windows上のUPnPサービスにバッファオーバフローが存在する

Original release date: December 20, 2001
Last revised: --
Source: CERT/CC

本和訳の原文は http://www.cert.org/advisories/CA-2001-37.htmlである。

本文書並びに本和訳の完全な改訂履歴は文書末尾にある。

[訳者付記] 本CAは当初の公開がかなり急がれたようで、 数箇所不正確なところがある。この和訳では日本語として読みやすく するという配慮は行なっているが、(当然ながら)原文の内容それ自体の改変は企図しておらず、 必要と思う点については訳者に分かる範囲で[訳者注記]等と明示して挿入するという 方針を取っている。今回の問題もそれを踏襲し、MS01-059の記述と食い違う点について は「説明」セクションの冒頭にまとめてある。

影響を受けるシステム

  • Microsoft Windows XP
  • Microsoft Windows ME
  • Microsoft Windows 98
  • Microsoft Windows 98SE

[訳者注] MS01-059では、Windows 98, 98SEについては、 Windows XP インターネット接続の共有クライアントをインストール している場合、としているが、「Windows Me, 98, 98SEユーザは ユニバーサルプラグ&プレイをインストールしている場合、修正パッチ を適用せよ」とも書いている。

概要

Microsoft Windows XPには標準で含まれ、Windows Me並びにWindows 98 でもオプションでインストールされるソフトウェアに複数の脆弱性が存在し、 侵入者は脆弱なシステム上で任意のコードを実行したり、脆弱なシステム に対してDoS(サービス妨害)攻撃を行なったり、脆弱なシステムを利用して 他のシステム(third-party systems)に対してDoS(サービス妨害)攻撃 を行なったりすることができる可能性がある。

I. 説明

[訳者付記] MS01-059の情報も参考に今回のCAが意図するところを簡単に まとめておく。

まず、今回報告されている脆弱性はユニバーサルプラグ&プレイに関する 2点であり、相互の関連性はないが、悪用のされ方は類似する。

ユニバーサルプラグ&プレイ(UPnP)は、いわゆるPnPサービスのネットワーク 版であり、ネットワーク上で利用可能なデバイスを自動的に見つけ、その 利用のために必要なドライバ等を(半)自動的にインストールできるという ものである。

問題の1点目はNOTIFYディレクティブを処理するコード部分にバッファオーバラン の危険性が存在するというもので、この結果、悪意で特別に加工したNOTIFY ディレクティブを脆弱なシステムに送信することで、UPnPサービスに付与された 権限レベル(Windows XPの場合はシステム権限であり、Windows 98, 98SE, Me の場合は、関係するすべてのコードがOSの一部として動作している)で任意の コードを実行できる。このため、システムに対する完全な制御を奪取され得る。

2点目はUPnPが新たに発見されたネットワークデバイスを利用する際に必要な 情報をどこに取得しに行くかが十分制限されていないことを悪用されるという ものである。新たなUPnPデバイスが送信するNOTIFYディレクティブには、そのデバイス が提供するサービスが何か、利用するためにはどうすればよいかといった情報が まとめられているデバイス記述情報をどこに取得しに行けばよいかが示されて いる。このデバイス記述情報が格納されている場所は、問題となるシステムではなく、 他のシステムである可能性もある。これを悪用する手法として少なくとも2つを MS01-059は示唆している。

第一は、デバイス記述情報を特定のサーバ上の特定のポートからダウンロード せよという内容を含むNOTIFYディレクティブを送信し、サーバ側はそれに対し、単に ダウンロード要求にエコーを返す設定にしておく、というもので、結果として ダウンロード作業が延々と繰り返され、事実上DoS状態にさせるというものである。 NOTIFYディレクティブの送信は、IPアドレスを指定して特定のマシンに行なうこと もできるし、ブロードキャストアドレスないしマルチキャストアドレスを指定する こともできる。

第二は、デバイス記述情報を保持しているサーバとして他OSのサーバを 指定するというもので、結果として、そのサーバは無意味なリクエストを 大量の脆弱なシステムから大量に受け付けることがありえる。つまり、一種の 分散DoS攻撃を仕掛けることができる、ということである。

[訳者付記はここまでで終了]

Microsoft Windows XPならびにMicrosoft Windows Meのユニバーサル プラグ&プレイ (UPnP)サービスには脆弱性が1つ存在し、これを悪用して 侵入者は脆弱なシステム上でAdministrator権限で任意のコードを実行できる 可能性がある。UPnPサービスはXPではデフォルトで有効になっている。Microsoft はWindows MeについてはデフォルトでUPnPが有効になるようにはしていない が、PC製造元が(この設定を変更して)有効にしている場合もある。Windows 98 並びにWindows 98SEではUPnPはオプションとしてインストールされている ことがある。この脆弱性を発見したのはEeye Digital Securityである。 詳しい情報については以下を参照せよ。

http://www.eeye.com/html/Research/Advisories/AD20011220.html
http://www.microsoft.com/technet/security/bulletin/MS01-059.asp

[訳者注: 12/21 12時現在は日本語版のMS01-059はまだ発行されていない]

ユニバーサルプラグ&プレイ (UPnP)は コンピュータシステムとネットワークデバイスを協調動作させるのにほとんど ないしまったく事前の設定を不要とする一連のプロトコルからなる。

一つの脆弱性は、UPnPNOTIFYディレクティブを扱う コードにバッファオーバフローを起こすところがあるというものである。 この脆弱性によって、侵入者は悪意あるNOTIFYディレクティブを脆弱な コンピュータに送り、その結果、そのコンピュータに侵入者が選んだコード を実行させることができる。このコードはWindows XPも含め、脆弱なシステム であればどれでも完全な権限の下で([訳注] 今回の場合、システム権限で、と同義) 実行される。このため、攻撃者はシステムを完全に制御できることになる。

UPnPのMicrosoft Windowsにおける実装にはもう一つ脆弱性が存在し、 侵入者は脆弱なシステムでメモリ、プロセッサ占有時間を消費することで、 パフォーマンス低下を引き起こすことができる。この問題の利用の仕方に よっては、侵入者は脆弱なシステムを利用して、他のコンピュータにDoS (サービス妨害)攻撃を仕掛けることができる。

これら脆弱性についての情報は次を参照せよ。

http://www.kb.cert.org/vuls/id/951555
http://www.kb.cert.org/vuls/id/411059

これら脆弱性に対してはCVE 識別番号として CAN-2001-0876 並びに CAN-2001-0877, がそれぞれ割り当てられた。

II. 影響

侵入者は脆弱なシステムを完全に制御できたり、脆弱なシステムの通常動作 を妨害したりできる。

III. 解決策

ベンダ提供の修正パッチを適用せよ

Microsoftは自社発行の速報で修正パッチ情報を提供している。これはMS01-059で、 以下で入手できる。

http://www.microsoft.com/technet/security/bulletin/MS01-059.asp

[訳者追記]

Windows XP日本語版へのパッチ
Windows 98, 98SE日本語版へのパッチ
Windows Me日本語版へのパッチはまだ(2001年12月20日現在)

UPnPサービスへのアクセスを遮断せよ

修正パッチが適用されるまでは、ネットワーク境界でポート番号1900並びに 5000へのアクセスを遮断することで、この問題に曝される危険性を緩和する ことができる。ただし、この措置を取っても、自ネットワーク内部からの 攻撃に対する危険性は変わらない。

Windows XP上でデフォルトで動作することになっているMicrosoft Internet Connection Firewallは今回説明した攻撃に対する完璧な防御 とはならない点に注意されたい。具体的には、(Microsoft Internet Connection Firewallが動作していても)Microsoft Windows上のUPnP サービスに通信を到達させるのに、侵入者はブロードキャストアドレス やマルチキャストアドレスを依然として利用できるのである。

UPnPを必要としないシステムでは、UPnPサービスを無効にすることも できる。


著者: Shawn V. Hernan



本文書の原文は以下で入手できる。
http://www.cert.org/advisories/CA-2001-37.html


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Copyright 2001 Carnegie Mellon University.

Revision History

December 20,2001: Initial release

この翻訳は橋本喜代太(hash@reasoning.org)が行った。 翻訳公開は原文がWebサーバに公開されてから約6時間後、ML配信が 届く前である。


本和訳の改訂履歴
2001年12月21日午後1時5分 (JST) 初版公開
2001年12月21日午後1時55分 (JST) 「解決策」セクションに日本語版パッチの情報を追加。(セキュリティホールmemoの情報を参考にしました)


訳者並びに連絡先: 橋本喜代太