概要
W32/Gonerは電子メールの添付ファイルとして、また、ICQのファイル転送機能を
経由して配布される悪意あるWindowsプログラムである。ユーザから見るとこのファイル
(gone.scr)はWindows用スクリーンセーバに見える。W32/Gonerはユーザがこの"gone.scr"
というファイルを実行したときにシステムに感染する。
説明
今朝遅く、CERT/CCはW32/Gonerという名で知られる新たな悪意あるコードに
関する報告を受け取り始めた。それ以降、このコードがインターネット
上でばらまかれているという報告がCERT/CCにどんどん来ている。
分析したところ、このコードは次のような特徴を持つ電子メールを通じて
広がりつつある。
Subject: Hi!
Body: How are you ?
When I saw this screen saver, I immediately thought about you
I am in a harry, I promise you will love it!
Attachment:gone.scr
いくつかのウィルス対策ベンダは、このコードがICQメッセージング
プログラムを介して流布していることもあるようだと述べている。
W32/Gonerは、感染したユーザのコンタクトリストに登録された
あらゆる"(その時点で)オンラインにいる"ユーザに対してファイル転送を
開始すると考えられている。受け取り側のユーザがこの転送を許可すれば、
このワームは自身のコピーを送りつける。
"gone.scr"というファイルが実行されると、このワームは斑点模様の
画面(a splash screen)となり、誤ったエラーメッセージを表示する。
こうすることでこのプログラムが適切なスクリーンセーバであるとユーザに
信じさせようとしているのである。(その裏側で)このワームは自身のコピー
をWindowsのシステムディレクトリにコピーし(通常はC:\WINDOWS\SYSTEM32\
scr.exeまたはC:\WINNT\SYSTEM32\scr.exeとなる)、Windowsレジストリに
次のキーを追加することで、再起動時に自身が実行されるようにする。
- HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run\
C:%WINDIR%\SYSTEM\gone.scr=C:\%WINDIR\SYSTEM\gone.scr
W32/Gonerは、自身をMicrosoft Outlookのアドレス帳に登録された
すべてのアドレス並びにICQコンタクトリストに登録されたすべての
オンラインユーザに送信することで自己流布を図る。
さらに、このワームは、さまざまなよく利用されるウィルス対策プログラムや
セキュリティプログラムに関連するプロセスを探し、これを終了させる。
この悪意あるコードのターゲットとなっているのは次のプロセス/ファイル
である。
- APLICA32.EXE
- ZONEALARM.EXE
- ESAFE.EXE
- CFIADMIN.EXE
- CFIAUDIT.EXE
- CFINET.EXE
- PCFWallIcon.EXE
- FRW.EXE
- VSHWIN32.EXE
- VSECOMR.EXE
- WEBSCANX.EXE
- AVCONSOL.EXE
- VSSTAT.EXE
- PW32.EXE
- VW32.EXE
- VP32.EXE
- VPCC.EXE
- VPM.EXE
- _AVP32.EXE
- _AVPCC.EXE
- _AVPM.EXE
- AVP32.EXE
- AVPCC.EXE
- AVPM.EXE
- AVP.EXE
- LOCKDOWN2000.EXE
- ICLOAD95.EXE
- ICMON.EXE
- ICSUPP95.EXE
- ICLOADNT.EXE
- ICSUPPNT.EXE
- TDS2-98.EXE
- TDS2-NT.EXE
- FEWEB.EXE
- SAFEWEB.EXE
W32/Gonerがこうしたプログラムが動作しているのを検知すると、
そのプロセスを終了し、その実行コードのあるディレクトリの
すべてのファイルを削除する。ファイルをすぐに削除できない場合は、
WININT.INIというファイルを作成し、これが再起動時にファイル群を
削除する。
また、W32/GonerはmIRCインターリレーチャットクライアントの
サービス妨害(DoS)を行なうスクリプトもインストールしているようで
あるという証拠もある。
影響
このワームはシステムにインストールされたウィルス対策ソフトウェアや
セキュリティソフトウェアを無効にすることがある。
このワームが伝播する際、経由点となるホストや電子メールシステムが
サービス妨害(DoS)状態に陥るサイトもありえる。
解決策
ウィルス対策ソフトウェアを使い、常に最新状態に保て
ウィルス対策ソフトウェアをちゃんと更新していくのはユーザにとって
重要なことである。たいていのウィルス対策ソフトウェアベンダはこの悪意ある
コードを検知したり、感染した場合に部分的にでも修復したりする助けとなる
よう、情報、ツール、ウィルスデータベースを更新したものを既に公開している。
ベンダごとのウィルス対策情報についてはAppendix Aにまとめてある。
多くのウィルス対策ソフトウェアにはウィルス定義ファイルの自動更新機能が
ある。こうした自動更新機能が使える場合は使うことを我々は推奨する。
電子メールの添付ファイルを開いてはいけない
W32/Gonerワームは電子メールの添付ファイル(gone.scr)として
届くことがある。ユーザはこの種の添付物を開くべきではない。
一般に、いかなるものであろうと電子メールの添付物を開く際には
まずウィルス対策製品でスキャンしてからにするといった慎重さを
発揮すべきである。
インスタントメッセージングアプリケーション経由のファイルを開いてはいけない
W32/GonerワームはICQファイル転送経由で届くこともあるだろう。
ICQユーザは電子メールの添付ファイルの際と同様、ファイル転送経由で
受け取ったファイルを開く際には十分な慎重さを発揮すべきである。
電子メール添付ファイルをフィルタリングせよ
システム管理者はメールサーバにフィルタをインストールし、潜在的に
有害なファイル(.exe, .vbs, .bat, .scrなど)が電子メールを経由して
広がるのを防ぐようにするのもいいだろう。この場合、フィルタを使うことで
"gone.scr"が広まるのを防げるであろう。
報告求む
CERT/CCはこの活動に関する報告を募集する。自分の管理下にあるマシン
が攻略された場合、タイトル行に[CERT#2327693]を含めたメールをcert@cert.org
に送られたし。
[訳注]当然のことだが、このタイトルのメールを含め、この文書の訳出
上の問題/疑問点以外の情報を訳者に送られても何も対処はできないので、単なる
FYIとして以外でこのワームについての情報を訳者に送るべきでない。
* "CERT" 並びに "CERT Coordination Center" はU.S. Patent and Trademark Officeに登録されている。
Copyright 2001 Carnegie Mellon University.