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CERT IN-2001-15

  • この文書はCERT Incident Note文書の和訳である。和訳については一切の 保証はしない。この文書を使った結果のあらゆる損害等について 訳者は一切責を負わない。また、転載は禁じる。
  • この和訳は文書の性質上、in rushであり、訳の自然さより も訳出の迅速さを目指している。内容の正確さについては訳者としての 良心から可能な限り気をつけているが、通常の翻訳であれば訳の改善を 図るために訳語等で悩む時間を極力圧縮しているため、不自然なところが 残っているかもしれない。指摘は歓迎である。なお、読者対象は文書の 性質上、ネットワーク管理者等であるため、この読者層に通じやすい 訳語選定を心がけている。
  • この和訳はあくまでも訳者の個人的な関心に基づいて行われている。 今後、飽きるまでは原則として24時間以内の翻訳を目指す(この迅速さが どこまでできるかが訳者の関心である)が、予告なく遅延、終了すること がある。
  • 本文書の和訳について、CERTから翻訳許諾は受けていない。が、こちら の申請に対して拒絶の返事も受けていない。CERT文書は周知のために再配布 するといった行為を許可している。これが翻訳にもそのまま翻訳にも適用 されるとは考えられない(翻訳は内容の変更を伴うため)が、その本来の精神 には合致するものと考え、この翻訳に対して、しかるべきところから明示的に翻訳拒絶の連絡を 受けた場合を除き、本翻訳は訳者の責任において公開する。ただし、内容 についての責任は最初に書いたように負わない。
  • 訳者は大阪女子大学情報センター講師の橋本喜代太(hash@reasoning.org, hash@center.osaka-wu.ac.jp) である。ただし、本文書の訳出に当たって、大学当局は何ら関係ない。
  • 関連文書は ここにリストがある。

CERT® Incident Note IN-2001-15

CERT Coordination Centerはインターネットコミュニティに対して インシデントに関する情報を提供するためインシデントメモ(incident note) を発行する。

W32/Goner ワーム

公開日: December 4, 2001

影響を受けるシステム

  • Microsoft OutlookをインストールしたMicrosoft Windowsを使っているシステム
  • Microfot OfficeとICQがインストールされたMicrosoft Windowsを使っているシステム

概要

W32/Gonerは電子メールの添付ファイルとして、また、ICQのファイル転送機能を 経由して配布される悪意あるWindowsプログラムである。ユーザから見るとこのファイル (gone.scr)はWindows用スクリーンセーバに見える。W32/Gonerはユーザがこの"gone.scr" というファイルを実行したときにシステムに感染する。

説明

今朝遅く、CERT/CCはW32/Gonerという名で知られる新たな悪意あるコードに 関する報告を受け取り始めた。それ以降、このコードがインターネット 上でばらまかれているという報告がCERT/CCにどんどん来ている。

分析したところ、このコードは次のような特徴を持つ電子メールを通じて 広がりつつある。

Subject:        Hi!

Body:   How are you ?
        When I saw this screen saver, I immediately thought about you
        I am in a harry, I promise you will love it!

Attachment:gone.scr

いくつかのウィルス対策ベンダは、このコードがICQメッセージング プログラムを介して流布していることもあるようだと述べている。 W32/Gonerは、感染したユーザのコンタクトリストに登録された あらゆる"(その時点で)オンラインにいる"ユーザに対してファイル転送を 開始すると考えられている。受け取り側のユーザがこの転送を許可すれば、 このワームは自身のコピーを送りつける。

"gone.scr"というファイルが実行されると、このワームは斑点模様の 画面(a splash screen)となり、誤ったエラーメッセージを表示する。 こうすることでこのプログラムが適切なスクリーンセーバであるとユーザに 信じさせようとしているのである。(その裏側で)このワームは自身のコピー をWindowsのシステムディレクトリにコピーし(通常はC:\WINDOWS\SYSTEM32\ scr.exeまたはC:\WINNT\SYSTEM32\scr.exeとなる)、Windowsレジストリに 次のキーを追加することで、再起動時に自身が実行されるようにする。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\Windows\CurrentVersion\Run\ C:%WINDIR%\SYSTEM\gone.scr=C:\%WINDIR\SYSTEM\gone.scr

W32/Gonerは、自身をMicrosoft Outlookのアドレス帳に登録された すべてのアドレス並びにICQコンタクトリストに登録されたすべての オンラインユーザに送信することで自己流布を図る。

さらに、このワームは、さまざまなよく利用されるウィルス対策プログラムや セキュリティプログラムに関連するプロセスを探し、これを終了させる。 この悪意あるコードのターゲットとなっているのは次のプロセス/ファイル である。

APLICA32.EXE
ZONEALARM.EXE
ESAFE.EXE
CFIADMIN.EXE
CFIAUDIT.EXE
CFINET.EXE
PCFWallIcon.EXE
FRW.EXE
VSHWIN32.EXE
VSECOMR.EXE
WEBSCANX.EXE
AVCONSOL.EXE
VSSTAT.EXE
PW32.EXE
VW32.EXE
VP32.EXE
VPCC.EXE
VPM.EXE
_AVP32.EXE
_AVPCC.EXE
_AVPM.EXE
AVP32.EXE
AVPCC.EXE
AVPM.EXE
AVP.EXE
LOCKDOWN2000.EXE
ICLOAD95.EXE
ICMON.EXE
ICSUPP95.EXE
ICLOADNT.EXE
ICSUPPNT.EXE
TDS2-98.EXE
TDS2-NT.EXE
FEWEB.EXE
SAFEWEB.EXE

W32/Gonerがこうしたプログラムが動作しているのを検知すると、 そのプロセスを終了し、その実行コードのあるディレクトリの すべてのファイルを削除する。ファイルをすぐに削除できない場合は、 WININT.INIというファイルを作成し、これが再起動時にファイル群を 削除する。

また、W32/GonerはmIRCインターリレーチャットクライアントの サービス妨害(DoS)を行なうスクリプトもインストールしているようで あるという証拠もある。

影響

このワームはシステムにインストールされたウィルス対策ソフトウェアや セキュリティソフトウェアを無効にすることがある。

このワームが伝播する際、経由点となるホストや電子メールシステムが サービス妨害(DoS)状態に陥るサイトもありえる。

解決策

ウィルス対策ソフトウェアを使い、常に最新状態に保て

ウィルス対策ソフトウェアをちゃんと更新していくのはユーザにとって 重要なことである。たいていのウィルス対策ソフトウェアベンダはこの悪意ある コードを検知したり、感染した場合に部分的にでも修復したりする助けとなる よう、情報、ツール、ウィルスデータベースを更新したものを既に公開している。 ベンダごとのウィルス対策情報についてはAppendix Aにまとめてある。

多くのウィルス対策ソフトウェアにはウィルス定義ファイルの自動更新機能が ある。こうした自動更新機能が使える場合は使うことを我々は推奨する。

電子メールの添付ファイルを開いてはいけない

W32/Gonerワームは電子メールの添付ファイル(gone.scr)として 届くことがある。ユーザはこの種の添付物を開くべきではない。 一般に、いかなるものであろうと電子メールの添付物を開く際には まずウィルス対策製品でスキャンしてからにするといった慎重さを 発揮すべきである。

インスタントメッセージングアプリケーション経由のファイルを開いてはいけない

W32/GonerワームはICQファイル転送経由で届くこともあるだろう。 ICQユーザは電子メールの添付ファイルの際と同様、ファイル転送経由で 受け取ったファイルを開く際には十分な慎重さを発揮すべきである。

電子メール添付ファイルをフィルタリングせよ

システム管理者はメールサーバにフィルタをインストールし、潜在的に 有害なファイル(.exe, .vbs, .bat, .scrなど)が電子メールを経由して 広がるのを防ぐようにするのもいいだろう。この場合、フィルタを使うことで "gone.scr"が広まるのを防げるであろう。

報告求む

CERT/CCはこの活動に関する報告を募集する。自分の管理下にあるマシン が攻略された場合、タイトル行に[CERT#2327693]を含めたメールをcert@cert.org に送られたし。

[訳注]当然のことだが、このタイトルのメールを含め、この文書の訳出 上の問題/疑問点以外の情報を訳者に送られても何も対処はできないので、単なる FYIとして以外でこのワームについての情報を訳者に送るべきでない。

Appendix A. ベンダ情報

ウィルス対策ベンダ情報

Computer Associates

http://www3.ca.com/solutions/collateral.asp?CT=65&ID=1212

F-Secure Corp

http://www.fsecure.com/v-descs/goner.shtml

McAfee

http://vil.nai.com/vil/virusSummary.asp?virus_k=99272
http://www.nai.com/japan/virusinfo/virG.asp?v=W32/Goner@MM (日本語情報: 訳者追加)

Norman Data Defense Systems

http://www.norman.com/virus_info/w32_goner_a_mm.shtml

Sophos

http://www.sophos.com/virusinfo/analyses/w32gonera.html

Symantec

http://www.sarc.com/avcenter/venc/data/w32.goner.a@mm.html
http://www.symantec.co.jp/region/jp/sarcj/data/w/w32.goner.a%40mm.html (日本語情報: 訳者追加)

Trend Micro

http://www.antivirus.com/vinfo/virusencyclo/default5.asp?VName=WORM_GONE.A
http://www.trendmicro.co.jp/virusinfo/default3.asp?VName=WORM_GONE.A (日本語情報: 訳者追加)

上記の各ベンダに加えて、CERT/CCのコンピュータウィルス情報ページもある。

http://www.cert.org/other_sources/viruses.html


著者: Brian B. King, John Shaffer, Robert Hanson

この文書の原文は以下で入手できる。

http://www.cert.org/incident_notes/IN-2001-15.html


CERT/CCへの連絡は

電子メール: cert@cert.org
電話: +1 412-268-7090 (24-hour hotline)
Fax: +1 412-268-6989
郵便送付先:
CERT Coordination Center
Software Engineering Institute
Carnegie Mellon University
Pittsburgh PA 15213-3890
U.S.A.
CERT/CCの職員は月曜〜金曜の personnel answer the hotline 08:00-17:00 EST(GMT-5) / EDT(GMT-4)であればホットラインを受け付けている。他の時間、合衆国の祝日、週末も緊急時の ため待機している。

暗号を利用する

セキュリティ上微妙な情報を電子メールで我々に送る場合は暗号化することを 強く推奨する。我々の公開PGP鍵は以下で入手できる。

DESを利用したい場合は、CERTホットラインに電話して欲しい。

セキュリティ情報を得る

CERTの出版物ならびにその他のセキュリティ情報はCERTのウェブサイトで見ることができる。

CERTの勧告、速報を配布するメーリングリストを購読したい場合は、 majordomo@cert.org に本文が次のようなメールを送ること。

* "CERT" 並びに "CERT Coordination Center" はU.S. Patent and Trademark Officeに登録されている。


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更新履歴

December 4, 2001: 初版公開

この和訳は橋本喜代太(hash@reasoning.org)が行った。 和訳公開は原文をCERTのウェブで発見してから約1時間半後であるが、 CERTのウェブで公開されてから約7時間後と推測される。


本和訳の改訂履歴
2001年12月5日午後4時35分 (JST) 初版公開


訳者並びに連絡先: 橋本喜代太